フライフィッシングというのは原型が発祥したのが15世紀末のイギリスとなっています。
その後、フライロッドが木製からバンブーに素材が変わり、グラスロッドを経てグラファイトに進化していきます。
ラインはシルクにオイルを浸したものからコアにPVCをコーティングしたフローティングラインが生まれます。
ところが、フライリールというのはせいぜいディスクブレーキが内蔵される程度の進化に留まっていて、リールは主にラインを収納するものという微妙な扱いを受けていたのであります。
私はスペイスイベルについてネットで調べていたところ、東陽工業が制作しているJET STREAMフライリールを知って、購入してみました。
さしずめ、フライフィッシングにスプニングリールをつけたスタイルを体感した感想などを記事にしたいと思います。
目次
東陽工業のフライリールJET STREAM OSPREYの使い勝手は?
東洋工業のJET STREAMフライリールは動画のとおりにフライリールを90度回転させてラインを保持しながらキャストをしてラインを放すとリールからスプニングリールの如くランニングラインが出ていきます。
リトリーブはリールのハンドルとは逆側にバーニアケーブルがあってこれを引っ張ることでリールが回転してラインを巻き取ります。
当然ながら、リールを手巻きしてラインを巻き取ることもできます。
従来のフライフィッシングというのはある程度ラインをリールから出しっぱなしになるために、ライン捌きを考えないとたちまちライントラブルに悩まされます。
ラインが草に絡まるとか岩に挟まる、ラインを踏んづける、ラインが団子になってスリッピングガイドに絡まるとか、かなりのライントラブルを経験することとなります。
このフライリールではリトリーブでラインを巻き取っているので、こういったトラブルが皆無となるのです。
東陽工業のフライリールJET STREAM OSPREYのラインのセット
私はこのフライリールをスペイスイベルを調べていて偶然見つけたわけなのですが、このリールでのラインシステムでスイベルを使うことが必須だということとなるのです。
このリールを買うには東陽工業のホームページからメールで注文します。
決済はクレジットカード、銀行振込、代金引換、paypalなんかがあります。
なんだかんだで銀行振込が一番無難な決済方法だと思います。
JET STREAMにはOSPREY、SWALLOW、FALCON、EAGLEというグレードがあるのですが、とりあえずエントリーモデルっぽいOSPREYのスプールのデカイ方のXZ-3(59,850円)を購入しました。
フライリールのOSPREYと付属品です。
オイルが二種類とバーニアケーブルやパッキン、カラーといった予備パーツ、キーホルダー付きのマイナスドライバーが入っていました。
そしてA4用紙のマニュアルが7枚も入っていましたが、これは普通のフライリールよりも新しい機構が入っているので致し方ないところです。
さらに生涯保証書が付いてきました。
さらに、メーカー推奨のランニングラインのスーパーファイヤーライン4号200mを2個、NTパワースイベル#10、シマザキ・リールフィックスを別途購入しました。
このフライリールをロッドにセットしたところ、リールフットが細いのでガタツキがあったのでリールシートを貼りました。
最初はリールシート全体に貼っていたのですが、そうするとリールフット後端がキツキツになってしまったので、画像のとおり前端だけに貼ることにしました。
もしかしたら、全体にガムテープやビニールテーブを貼って調整するのもアリかなと思いました。
ランニングラインのスーパーファイヤーライン4号は結構細いラインでフロロカーボンに換算すると太さは3Xほどとなっています。
今回買ったXZ-3の大きさで400m巻けるようですが、ぶっちゃけ400mもラインをドリフトするとかファイトすることはありえないと思いました。
私は使っていないリールに付いていたバッキングライン(たぶん100mくらい)を巻いてからスーパーファイアーライン4号を200mを巻きました。
画像のようにランニングラインをリールのリムとテーパーをつけて巻くことでキャスト時にライン放出の抵抗が少なくなって飛距離が出る模様です。
NTパワースイベル#10はメチャクチャ小さいのでガイドを通るときもわりかしスンナリ入ってきます。
シューティングヘッドの後端を3cmくらい皮膜を取って、スイベルを通してスレッドで止めて接着剤でコーティングします。
これに熱収縮チューブを被せてスレッドの保護とスイベルがガイドを傷つけないようにしています。
さらに、フライラインの先端にリーダーを結んで、ティペット部をカットして、リーダーのテーバー部分とティペットの間にもNTパワースイベルを取り付けます。
キャストとリトリーブをリールでやり取りするにあたって、かなり糸ヨレが出やすい状態となるので、2箇所のスイベルでヨリモドシをしています。
JET STREAM OSPREYを屈斜路湖と阿寒湖で使ってみた感想
このフライリールが届いて、ラインをセットして実際に湖で使ってみました。
私は湖の釣りではラインバスケットを使っていましたが、これで不要となりました。
これまでラインバスケットはないとランニングラインが絡むし飛距離も出ないのですが、実際に邪魔くさいのですよね(笑)
キャストはシューティングヘッドをトップガイドから出して、オーバーハングを適度に出してダブルハンドロッドなら両手でラインをホールドしてリールを90度ひねります。
あとはオーバーヘッドキャストでもスペイキャストでもいつもどおりにキャストをしてシューティングでラインを放すとランニングラインがシュルシュルと音を立ててラインがすっ飛んでいきます。
リールを元の位置に戻してバーニアケーブルを引っ張ることでリールで巻取りながらリトリーブできるところです。
これが今までのフライリールになかった新基軸であり、画期的な機能だと思います。
バーニアケーブルによるリトリーブは小刻みに引っ張ったり、大きくゆっくり引っ張ったりといろいろなリトリーブに対応することができますね。
また、このフライリールの一番の威力を発揮できるのが、本流釣りのウェットフライやストリーマの釣りやダム湖や海の河口での超ロングドリフトで流しきったラインをすばやくバーニアケーブルでラインを回収するという使い方のようです。
JET STREAM OSPREYを使った結果バラシ連発!
このフライリールで5月末の阿寒湖に行ったときのことです。
まずは遊漁券を買い求めて大人気ポイントのボッケに入ってストリーマーをキャストアンドリトリーブをしました。
ラインを引き出しっぱなす事なくキャストアンドリトリーブはかなり快適となります。
その間はラインが絡むといったトラブルは皆無ですが、リトリーブの時はロッドハンドでラインをしっかりと張りながらバーニアケーブルを引っ張らないといけません。
ラインテンションをかけてリトリーブしないとリールにたるんで巻かさってしまいライントラブルになってしまいます。
ほどなくフライに魚が食いついてヒットしたもののすぐにバレてしまいました。
まあ、これは魚のかかりが浅かったので仕方がありません。
続いて2回目のヒットではしっかりと魚をフライに食らいついてそのままファイトとなりました。
このままバーニアケーブルで魚を寄せようとしたら魚の重みでリールが巻き取れずに空回りしています。
そこで、ランニングラインを手で手繰って寄せるとラインが微妙に糸ヨレを起こしていました。
意外と魚がデカイと思って手繰ったラインをリールに巻こうとロッドを持ち替えてリールで巻いているところでバレてしまいました。
後の調査によって糸ヨレが発生した理由が判明しました!
シューティングヘッド後端のスペイスイベルにガイドのキズつき防止に熱収縮チューブを被せていたのですが、これが干渉していてスイベルの回転が阻害されていた模様です。
スペイスイベルにチューブをこのようにセットすることでなめらかにスイベルが回るようになりました。
これ以降は糸ヨレの蓄積が起こらなくなりました。
このリールを使って魚がかかってファイトに移る際には、リールをロックをしないとリールを巻いているとリールが微妙に回転して、ハンドルにラインが巻かさってしまいます。
そこで、魚がヒットして合わせたら画像の白いパーツをスライドさせてロックをして、リールを巻くとかバーニアケーブルを引くとかしないといけないのですね。
ここは私もアタフタして何度も魚をバラしてしまいました。
まあ、これは慣れの問題だと思います。
2回目の釣りでバーニアケーブルが切れました...
このフライリールを使って2回目の釣りが阿寒湖だったわけですが、釣りの最中に突然バーニアケーブルが戻らなくなってしまいました><
よく見ると、バーニアの3本のうちの1本が切れてしまい、切れたケーブルが噛み込んでしまったわけですね。
こんなに早くバーニアケーブルが切れるとは思ってもみなかったのですが、釣り現場でマニュアル片手にバーニアケーブルの復旧をします。
まずセンターキャップを外してスプールを外します。
その後、マイナスドライバーでバーニアケーブルのケースの蓋の2箇所のネジを外して、ひとまず切れたバーニアケーブルを取り除いて元に戻します。
釣り現場で小さいネジを外すということで慎重に作業したのですが、マイナスネジでなおかつバーニアケーブルの蓋のネジを異様に止めづらいこともあって、案の定ネジを失くしてしまいました><
とりあえず、リール本体とリールフットを止めるネジを共食いしてバーニアケーブルの蓋を止めました。
おそらく、釣り現場での復旧を考えてマイナスネジを採用したようですが、マイナスドライバーだとドライバーが滑って、その勢いでネジ転がってしまいどこかに行ってしまいました。
とりあえず、失くしたネジはホームセンターでプラスネジを仕入れました。
ネジ経はM2サイズで長さ3mmのものがちょうどよかったです。
現場でのバーニアケーブルのトラブル復旧のためにプラスの精密ドライバーをベストに入れておくことにしました。
バーニアケーブルは意外とすぐに切れてしまいます。
替えのバーニアケーブルはナイロン糸かPEラインがいいようですが、太さがどれがいいのかわかりません。
こちらは東陽工業さんに問い合わせてみますね。
JET STREAM OSPREYフライリールを本流釣りで使ってみた結果
湖ではこのフライリールの取り扱いが慣れていなかったのもあって、今ひとつの結果でした。
そこで、今回は川の本流釣りで使ってみることにしました。
場所は常呂川の中流の北見市東部の橋から川に入りました。
タックルはJ-スイッチ 11ft#8にJET STREAM OSPREYをつけて、ラインはシンクティップのシューティングヘッドでタイプ6のティップでウエットフライを流しました。
まずはリールを90度ひねって対岸へスペイキャストでフライを投げてラインが着水と当時に上流へメンディングをします。
リールはそのまんまにしてラインをフリッピングで送り込んでいきます。
ポイントにさしかかったところでリールを戻してフライをスイングさせていきます。
ここが一番フライがヒットするところなのでワクワクしますね。
ラインが流れ切ったらバーニアケーブルを引いてリトリーブを行います。
川の流れの抵抗があるので、バーニアケーブルを引っ張る時にはロッドハンドでランニングラインを強く押さえる必要がありませんでした。
ここでもヒットすることがわりとあるので気が抜けないですね。
これを繰り返しながらステップダウンしていきます。
湖と違って川の場合は流れによってスペイスイベルがきっちりと機能していて、ランニングラインがヨレることはなかったです。
うっかりリーダー側にスイベルを付けるのを忘れていて、フライチェックをしたときにフライが回転していたのを目撃しました。
やはり、スペイスイベルはきっちり2箇所セットしないと釣果は悪くなると思いました。
このフライリールは右巻きと左巻きはどちらがいいのか?
このフライリールはベイトリールと同様に左巻きと右巻きが決まっていて、あとで逆巻きにすることができません。
そこで、メッチャ迷ったのですが、私は左利きで右手でリール巻くのが通常なのですが左巻きを買いました。
左手でロッドを持って、右手でバーニアケーブルを引っ張るといいかと思ったからですね。
最初の釣りで私がバラシ連発したのも、左利きでいつもはリールを巻く手は右手でやっていたので、とっさにロッドを持ち替えて左手でリールを巻くのに動作がモタついたという一面がありますね。
もしかすると、通常通りでリールを巻く方向のを買って、キャストをしたらロッドを持ち替えてバーニアケーブルを引っ張るのがいいのかもしれません。
東陽工業のフライリールJET STREAM OSPREYのまとめ
今回は偶然見つけた革命的なフライリールを導入したことで記事にしてみました。
おそらくこのフライリールを知っている人がほとんどいないと思うので一度使ってみると使いやすさにビックリですね。
これまでフライというのはリールからラインを使う分だけ出して釣りをするのが常識でした。
ところが、このフライリールの出現によって、キャストもリトリーブもリールを使うことでライントラブルがほぼなくなります。
また、フライでもルアー並の手返しの良さで釣りをすることができました。
おそらくどこかのフライショップでも取り扱ってるかもしれないですが、メーカーの直販で買うのが確実かと思います。
価格もOSPREYなら59,850円で、さほど高くはないので釣果を上げるために効率化をしてみたい方には満足できるリールだと思います。
投稿者プロフィール
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小学生の頃より近所の川でエサ釣りをしている釣り大好きな40代半ばのおっさんアングラーです。
一番好きな釣りは川のフライフィッシングです。
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