阿寒湖と言えばマリモで有名ですが、実はフライフィッシャーにとっては憧れの地でもあります。
特に5月末から6月いっぱいまでは全国からフライでアメマスを狙い釣りにやってきます。
そこでわりと地元の管理人ひろしが阿寒湖のポイントの解説や狙い方を紹介しますね。
目次
阿寒湖のアクセス方法
阿寒湖は道東の中心付近にある山上湖となります。
水面の標高は420mでやはり、麓に比べると気温は低いですね。
もしも、本州から阿寒湖に釣りだけが目的だとしたら、釧路空港か一番近くて車で1時間ちょいで到着します。
次いで女満別空港からが1時間20分くらいで着いて、中標津空港は1時間40分ほどとなっています。
女満別空港から阿寒を目指す場合は釧北峠にエゾシカがかなりの頻度で出現します。
エゾシカは夜行性ではないですが、特に早朝や夕方から夜にかけて道路の真ん中や道路を集団で横切ったりします。
衝突事故に気をつけてください。
私は2018年6月18日に10年ぶりくらいで阿寒湖に釣りしに来ましたが、札幌ナンバーやレンタカーのナンバーの車で阿寒湖に釣りに来ていました。
阿寒湖の遊漁料やレギュレーション
阿寒湖は毎年5月1日に解禁となって、11月30日まで釣りができます。(阿寒川は10月31日まで)
そして、遊漁料は阿寒湖、太郎湖、次郎湖、硫黄山川、阿寒川共通で1日1,500円です。
12枚綴りの回数券が15,000円で2回分お得になっています。
また、阿寒湖で船舶やフローター、カヌーを持ち込む場合は日額2,000円、12枚綴の回数券が20,000円です。
遊漁券は絶対に事前に買うことをオススメしますね。
釣りをしている時に監視員から現地で遊漁券を買うと+500円加算されてしまうからです。
そして、買った遊漁券は釣りをしている間は携帯して監視員に提示を求められたら見せてください。
遊漁券取扱所は以下のとおりです。
フィッシングランド阿寒
ローソン阿寒湖温泉
東邦館
ランカーズ釧路
以前は阿寒湖、阿寒川、太郎湖、次郎湖それぞれの釣り場で遊漁料を取られましたが、共通券になって良かったなと思います。
それは阿寒湖がダメなら阿寒川に逃げることも出来るし、逆もまた然りのためです。
レギュレーションは釣り方が手釣、竿釣でフライ、フライ・ルアー、テンカラ・餌釣となります。
そして、シングルフック、バーブレスの針を使うことが義務となります。
ルアーの場合はトレブルフックからシングルフックに付け替えが必要です。
フライの場合もチューブフライなんかはシングルフックでバーブレスの針となります。
あとはいろいろ細かいことはこちらのページを参照してください。
阿寒湖のポイント一覧
ここでは阿寒湖でアメマスを狙うポイントの詳細をお伝えします。
いろいろポイントはありますが、行ったことないポイントはノーコメントとさせていただきます。
フィッシングランド阿寒湖
まず、阿寒湖に着いたらここに寄って遊漁券を買って、情報収集するといいですね。
渡船サービスは1名3,000円でポイント移動は1,000円となっています。
その他に船を貸し切るボートフィッシングサービスやイブニングでいいとこ取りをするイブニングガイドサービスがあります。
ボートフィッシングとイブニングガイドは1艇当たりの金額となっているので、最大6人まで利用できるので、大人数で利用するなら一人あたりの費用は安く済みますね。
ホテル前
フィッシングランド阿寒湖の近くのポイントです。
ウェーディングをしたり、桟橋からお気楽に釣りを楽しめます。
桟橋の右側も地味に良いポイントとなっています。
ただし、ここは一般の観光客が入れ代わり立ち代わり来るので、昼間はやりにくいですね。
硫黄山川(ウグイ川)
硫黄山川は阿寒湖温泉の西側の有名ポイントです。
車を止めたらすぐポイントで入りやすいのが一番のポイントですね。
上の写真はインレット左側のワンドでドン深なので、シンキングラインで探るといいですね。
硫黄山川の一番のポイントは流れ込みですね。
流れ込みに立ち込んで沖にキャストをすればいい感じでルアーとかフライが通過します。
川の右側は遠浅になっていてここも良いポイントです。
硫黄山川はけっこう当たり外れのあるポイントで、釣れない時は本当に釣れないです。
尻駒別川インレット
尻駒別川インレットは阿寒湖の一番西にあるポイントです。
ここはパンペトウやペンケトウに行く林道が一般人は通行できないので、ゲートの手前に車を停めて歩いてポイントに向かいます。
全体的に遠浅なポイントとなっています。
何度か入ったことはあるのですが、ここで釣れた記憶がありません(笑)
ヤイタイの崎
阿寒湖の北西にある小さな島のヤイタイ島の前となります。
ここは渡船サービスでポイントに連れて行ってもらいます。
私は一度だけここで釣りをしたことがありますが、結構沖では大きなアメマスがライズしてますが、手前はチビアメマスしか釣れなかったですね。
大きなライズは微妙に届かなかったので、#8くらいのダブルハンドロッドにシューティングテーパーでぶっ飛ばせば届く距離です。
大島前、原野
阿寒湖でも有名ポイントの一つで入りやすい、ポイントが広い、実績もあるという三拍子揃っている人気ポイントです。
写真はポイントのインレットから見たところです。
ここは車20台くらい停められる駐車場があります。
そして、道路を渡ってポイントに入ります。
私の経験上ではインレットのワンドはあんまり釣れているところは見たことありません。
それよりも、左側のワンドに立ち込むか、右側の原野の方が釣れますね。
ポイントに入るとモンカゲロウのダンを発見してちょっとテンションが上がります。
しかし、2018年6月18日の夕方は天気が悪く気温はたったの9℃という有様でした。
モンカゲロウのハッチはほとんどなくて、ミッジも出ていません。
しかも、風が強くて、しかも右から左の風向きで右利きには最悪な風です。
私は原野の大島前は馬の背になっているところを前に進んで立ち込みました。
タックルは相変わらすの#5でインターミディエイトのパワーヘッドにフローティングのレベルラインを接続したものにしました。
私は左利きということもあって俺の風だ!ということでスイスイキャストできて良かったです。
ラインは追い風に乗ってわりと遠くまで飛ばせました。
ライズもハッチもないので仕方なく#8ウィッグルバガーのオリーブ色をキャストをしてリトリーブを余儀なくされました。
1時間に1本くらいの頻度で遊覧船が通過してゆきます。
遊覧船が湖底をかき混ぜてアメマスがヒットすることがわりとあります。
この日はそういうのはありませんでした。
今年初めての阿寒湖はアタリすらなくカスリもしないで坊主でした。
周りのフライフィッシャーも一番イヤな風に苦戦していて誰も釣れていませんでした。
翌日の6月20日の午後に大島前に入りました。
昨日会った釣り人がいたので話を聞くと、朝マズメの時は何匹かヒットしたと言っていました。
私はこの日は原野の右の方のアシの切れているところにウェーディングをしてみました。
天気は良いのですが、風が強くて東から西に吹いています。
ラインはインターミディエイトでフライはマラブーリーチを付けてキャストします。
開始早々にヒットします。
とりあえず、重いのですが、ファイトはもっさりしています。
この時点でわかったのですが。
やっぱりウグイ君でした。
そういえば昔もここらへんのアシ際でウグイが釣れた記憶が蘇ります。
その後馬の背に移動してキャストするものの釣れずに、周りもたまーに釣れる感じでパットしません。
そこでボッケに行くことにしました。
ボッケ
阿寒湖の有名ポイントの一つで阿寒湖温泉の東部で小島の前となっています。
阿寒のホテルに宿泊しているなら徒歩でポイントに向かいます。
ボッケは遠浅でウェーディングしやすくてしかも安定してアメマスが釣れるポイントなので人気の要因ですね。
2018年6月20日の午後から大島前からボッケにポイント移動をして釣りをしました。
車の場合は阿寒第一駐車場に1日410円で駐車をして、ここからボッケまで歩きます。
ボッケの森のなかの遊歩道を歩いてゆきます。
すると急に硫黄の匂いがしてきて地面から何かが湧き出している所に出ます。
ボッケの真ん前の浜はお湯が湧いていて、水は温かくて冷たいです。
この日はボッケからボッケの崎までフライフィッシャーがキャストをしていました。
目の前に小島があります。
ここで渡船して釣りをしている人もいました。
ボッケの湖底は砂と礫と岩場が混在していますね。
この日は時々モンカゲロウがハッチしていて、極小のミッジも少しだけ出ていました。
昨日に引き続き、キャストして引っ張りの釣りを余儀なくされました。
そこそこの沖でドッカンと大きなライズがあったり、モジリみたいなのは見かけましたが、ノーヒットでした。
夕方になって風裏になってイブニングの期待度が上がりましたが、何も起こらずに終わってしまいました。
余談
阿寒湖のイブニングも不発に終わったと悟った私はトボトボとボッケの遊歩道を歩きます。
すると路上にエゾシカがいました。
シカはしばらくこっちを見ていて近づくと森のなかに逃げてゆきました。
逃げていった森を見ると、違うシカがこっちを見ていました。
阿寒湖の時期による釣り方
阿寒湖のアメマスは解禁から7月中旬くらいが一つのシーズンで、真夏はシーズンオフになります。
そして、アメマスは9月以降は禁漁になってニジマスやサクラマスがメインターゲットに移行します。
解禁日~5月中旬
阿寒湖の解禁が5月1日になります。
解禁日にはGWということもあってけっこうな人がやってきます。
この時期はルアーマンも多くやってきて、フライ対ルアーは5:5くらいの比率となっています。
ルアーはワカサギを模したミノーでフライもストリーマーやウーリーバガーみたいなのをリトリーブの釣りとなります。
5月中旬~6月中旬
この時期は暖かい日と天気が悪くて寒い日がはっきり分かれる季節です。
ここらへんからルアーマンの姿が減少してフライフィッシャーが多くなってきます。
天気が良くて暖かいとミッジが大量ハッチしてきます。
フックサイズにして#10~#20くらいのミッジです。
湖面にはおびただしい数のミッジピューパやシャックが浮かんでいて日中は単発ライズが発生します。
そして、水面近くにはハッチしたミッジがウェーダーにまとわりついてきます。
単発ライズが休み休みあるとイブニングライズの期待度が高まります。
ライズが散発的な場合はミッジピューパを水面直下に漂わせてイトフケを取る程度のリトリーブをしてテンションを保ちます。
アタリはあってもなかなかフッキングしないです。
夕方になってイブニングライズが起こると、ドライのミッジにするといいですね。
6月中旬から7月上旬
6月の後半になるとミッジの他にモンカゲロウがハッチします。
全国のフライフィッシャーがこのモンカゲロウのスーパーハッチを目当てに集まってきます。
ただ、このスーパーハッチが起こるのが明確な時期はわかりませんのでここは完全に運となっています。
私もモンカゲロウのそこそこのハッチは出くわしましたが、スーパーハッチには巡り会えていません。
スーパーハッチが起こると本物のモンカゲロウのニンフやダンにバシバシアメマスがライズをして、大興奮の釣りができます。
ドライフライのダンを浮かべていたら本物に紛れて自分のフライを見失うレベルの凄まじさとなります。
とはいえ、モンカゲニンフなのか?ダンなのか?実はミッジを食べている可能性もあるので油断できません。
5月中旬~7月初旬までハッチもライズもなかったら、ストリーマーやウーリーバガー系のフライをキャスト&リトリーブの釣りとなります。
7月上旬から中旬
モンカゲロウのハッチが終わると同時にフライフィッシャーの数も一気に少なくなります。
モンカゲロウが終わるとアメマスはシンコワカサギを飽食するようになるようです。
アメマスがワカサギを襲ってナブラが起こるようで次のアメマスのボイルが起こる場所にワカサギフライをキャストしてリトリーブするという釣りになります。
私もモンカゲロウが終わると川釣りをするようになるので、今年はシンコの釣りもやってみたいと思いました。
阿寒湖をフライで狙うタックルやフライ
阿寒湖で釣りをする上で気がかりなのが、持っていくタックルやラインのシンクレート、どんなフライを持っていくかですよね。
基本タックルは#5~#6シングルハンドロッド
まず、基本となるタックルは#5~#6のシングルハンドロッドやスイッチロッドですね。
阿寒湖の場合はわりとバックスペースに関しては気にしなくても大丈夫かなと思います。
そこで、シングルハンドロッドでダブルホールをかましてキャストするって感じですね。
ラインはフローティングのWFラインとインターミディエイトがあれば十分かと思います。
もしも、阿寒湖がパッとしない時は阿寒川に逃げる時はこのタックルがそっくりそのまま使えます。
阿寒川でドライ、ニンフ、ウエットフライで釣りをします。
もう一セット用意するとしたら、#6~#8のダブルハンドロッドですね。
5月末~6月いっぱいまではミッジやモンカゲなど何がしかのライズがあれば#5~#6が軽快でいいのですが、ライズが皆無だったり、フィッシングプレッシャーが高いなどの理由でライズが遠い場合はダブルハンドロッドで遠投する必要があります。
ラインはシューティングテーパーのフローティングラインとインターミディエイト、タイプ2のシンキングラインですね。
ランニングラインはモノフィラのフローティングとかレベルラインですね。
水に浮くラインのほうが扱いやすいですね。
阿寒湖のポイントでガレ場のようにいきなりドン深で岸も斜面になっている所はこのタックルでシューティングスペイやジャンプロールキャストをしたほうが手返しも良くてトラブルが少ないです。
やっぱり、シングルハンドロッドでオーバーヘッドキャストはテーリングやウインドノット、バックで岸を叩くなどトラブルが多いですからね。
ドライフライならはリーダーはナイロンの9ft~12ftの4xから7xにフロロカーボンのティペットを付け足すのが一般的ですかね。
湖のドライフライはナイロンのティペットは水面に浮いて、それが影になって思いっきり目立つっていうのが大きな理由ですね。
シンキングラインの場合はフロロカーボンの9ftでティペットは3x~7xってところでしょうか。
阿寒湖で持っていくフライは?
阿寒湖の釣りでタックルと並んで気になるところがフライセレクションですね。
モンカゲロウのフライ
最近はモンカゲロウのハッチがまばらになっている傾向があって、エクステンドボディのモンカゲダンの影が薄いと思います。
モンカゲで狙うなら以下のフライですね。
- モンカゲダン
- モンカゲフローティングニンフ
- モンカゲスイミングニンフ
ミッジ
阿寒湖の5月中旬から6月にかけてとてつもない量のミッジがハッチします。
しかもフックサイズにして#10~#20というサイズが千差万別だったりします。
ミッジの大量ハッチに遭遇すると、湖面におびただしい量のミッジピューパやシャックが漂っています。
ミッジでライズがある場合はフローティングラインでミッジドライやグリフィズナットといったフライを浮かべて、ライズがあったら合わせる形ですね。
もう一つはフローティングラインやインターミディエイトラインでミッジビューパを漂わせる感じですね。
常にラインにテンションがかかるように余計なイトフケを取る感じでゆっくりリトリーブをして、完全に食いつくまでリトリーブを続けるって感じですね。
ただ、これがなかなか待ちきれなくて、思わず竿を立ててしまうんですけど。
ドライワカサギ
阿寒湖はモンカゲと並んでエキサイティングなのがドライワカサギの釣りとなります。
7月中旬のシンコワカサギの時期や秋のニジマス狙いのステージで出番がやってきます。
ワカサギが湖面に横倒しになってピクピクと漂っています。
それをアメマスやニジマスが狙って食べているのです。
以前、私もドライワカサギのフライのキッドでタイイングしましたが、かなりコツがいるので完成品を買うほうが無難ですね。
デカイフライなのでキャストもしずらいです。
そして、散発するボイルに合わせてキャストをしないと釣れないので#8くらいのタックルですぐに次に魚が通る場所をめがけてキャストをします。
ライズもハッチもない場合
阿寒湖でライズもハッチもない場合はストリーマーでの引っ張りの釣りを余儀なくされます。
私が行った6月18日と19日の午後はまさにそれで、キャスト&リトリーブということになりました。
使うフライはエビを模したオリーブ色のウーリーバガーやウィグルバガー、マラブーリーチといった定番どころですね。
その他に、ゾンカーやマツーカ、ヘアウイングといった思い思いのストリーマーを引っ張ることになります。
私の場合はキャストをしたらワキのロッドを抱えて、両手でラインをリトリーブしてゆきます。
アタリがあっても、リトリーブを続けて、ヒットするまで竿は立てません。
といっても、待ちきれずに合わせてしまうんですけどね。
修行がまだまだ足りないようです。
阿寒湖の釣りのその他
阿寒湖でのフライフィッシングではウェーディングが必須となります。
そこで、ウェーダーは5mmネオプレーンのウェーダーが基本となります。
基本的に阿寒は寒いのですが、日中は暑いと感じることもあるのでインナーで調節するのがいいですね。
また、5月中旬になると小アブやユスリカが顔や手にまとわりついてきます。
特に小アブは刺されるとメチャかゆいので虫除けスプレーや虫よけグッズを装備したほうがいいですね。
阿寒湖の釣りのまとめ
管理人のひろしは10年ぶりくらいに阿寒湖で釣りをしました。
川と違って10年経っても基本的なポイントは変わらないと思います。
6月18日と19日のそれぞれ午後から行ったのですが、ウグイ1匹というしょっぱい釣果でした。
10年前と今を比較するとやっぱり釣り人は断然キャスティングが上手いですね。
昔は竿を大振りしてビュンビュン音を立ててキャストしている人がわりと多かったです。
今はロットハンドからのいやらしい風でも難なくキャストしています。
この時期の阿寒湖はシングルハンドロッドでオーバヘッドキャストをしている人が多かったですね。
てっきり、ダブルハンドロッドでシューティングスペイが流行っていると思ったのですが、そうでもなかったです。
投稿者プロフィール
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小学生の頃より近所の川でエサ釣りをしている釣り大好きな40代半ばのおっさんアングラーです。
一番好きな釣りは川のフライフィッシングです。
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